2011年6月27日月曜日

福島。祖母の面影を求めて

南相馬市役所の向かっていた朝のこと。


道路をよたよたとお婆さんが歩いてます。

その後ろ姿はなぜか危なっかしい・・・


ゆっくりと近づき、声を掛けてみました。


「おばあさん、大丈夫ですか?」って。


そしたら、


「頭が痛いの。病院に連れてって欲しい」と。


えーーーーーそれは大変。

そう聞いた途端、車を飛び降り、直ぐにおばあさんを車にお乗せしました。


「どんな感じに痛いの?持病があるの?お家の人は?かかりつけの病院は?」

などなど、次々質問して、車はかかりつけの総合病院へ向かいました。


道中お婆さんは、

高血圧があるが、薬は3日分しかもらえない。
だから、度々病院に行かなければならない。
でも、誰も病院に連れてってくれない。
タクシーを呼びたいが、部屋に電話がないからかけれない。
施設も申し込んでるけど空きがない・・・


など、話し、


私なんてもう死にたい。みんなに邪魔物扱いされてもう嫌になった。
でも、死んだら残された人が困るだろう・・・
だから、自殺も出来ないよ。


と、ワンワン泣きながらお話してます。



おばあさんに年齢を聞きましたら、92歳とおっしゃってました。




いろんなご家庭のご事情があるとは思います。

でもね、92歳になってあんなに泣いてしまうほど辛い想いをされてるなんて
・・・・胸が痛みます。




病院に到着し、車を降りたおばあさんが、私に抱きついてきました。

そして、再び泣きながら、


「ありがとう、私はあなたの幸せを祈ってます!」


と何度も何度も言ってました。


その後は、無事に看護婦さんへ引継ぎできたので一安心だったんですが。



”おばあちゃん、ありがとう。

おばあちゃんに会えて嬉しかった。”



私は、昨年、100歳で祖母を亡くしました。
祖母が大好きだった私。

私の祖母と、このおばあちゃんは、容姿など全然似ていないけど
おばあちゃんの温もりは、亡くなった祖母と重なり、また、会えた
ような気持ちになりました。

4 件のコメント:

  1. まっすぐ車に向かって歩く、わんちゃんの後ろ姿が雄弁です。

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  2. 初めまして いつも保護活動ありがとうございます
    いつも胸が詰まる内容が多く 中々言葉が見つかりません

    ワンコも人間も歳をとってから 見捨てられるのは
    本当に辛い事です「長生きして良かった」と
    思える世の中になって欲しいと 切に願います

    話を聴いて貰えて嬉しかったと思いますよ

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  3. いつもありがとうございます。
    ワンワンも人も年も関係ないよ。
    みんな最後まで幸せである権利があるんだ。
    もう悲しい思いをするワンワンがいなくなるよう祈ります(涙)

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  4. 保護活動の合間の動物達への支援ありがとうございます。

    私の父も最近、支援が必要になってきました。あんなに元気で勝気な父がこんななんじゃなかったと悔しそうにヨボヨボと歩く姿がせつなくて・・・。でも、そういう支えもないお年寄りが沢山いるなんて、日本は豊かなんかじゃないですね。人にも動物にも暖かい国がいいですね。

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