2012年3月14日水曜日

飯館村のまるちゃん

飯館村にも給餌に行くようになって、先週初めてあったマルちゃん。
他の給餌チームがここに高齢の犬が居ることを教えてくれました。

先週行ったときには、寝てたけど、私達が来たので、雪の中小屋から出てきてくれて、最後はお見送りまでしてくれました。

それが、金曜日に行ってみたら、横たわったまま、寝たきり。マル~と声かけても反応なし。フードにも興味なし・・・。様子が明らかにおかしかった。

先週触ってみたとき、フサフサの毛でわかりにくかったけど、かなり痩せてて骨ばっていたので、正直この冬越せるのだろうかと思ってました。でも、まさか、1週間後にこんなになってしまうとは・・・。

急いで病院に連れて行こうと思いました。
しかし、飼い犬だし・・・と悩んでいたところ、見守り隊のおじさんが来て、飼い主さんに連絡してくださいました。

飼い主さんにマルちゃんの様態を伝えて、こちらの負担で病院に連れて行きたいと話したんですが、飼い主さん、「マルはもう20歳だから、そうやって死んでいくんだ。迷惑かけたくないし、そのままにしててくれ」とおっしゃてました。

私、もう一度、「勝手な話ですが、うちの犬もマルと言います。だから、なんかほっとけなくって・・・。迷惑なんかじゃなくてただ単に少しでもマルが楽になるのならお医者さんに診てもらいたいと思ったんですけど・・・」と、話してみました。

でも、「ありがとな、でも大丈夫だ。」って断られました。

それ以上、なにも言えなかった。

自然に涙がボロボロと出てきて、うまく話せなくなってきたけど、
「次はいつ来てくれるんですか?」と必死で聞きました。

「明日か、明後日、仕事の合間をみてだな~っ」ておっしゃってました。





飼い主さんを無視して、病院に連れて行くことも出来ました。

早川ボンボンさんとも連絡して、どうしよ~と話しました。

「大網さん、飼い主さんに一緒に怒られましょう。だから、病院連れてってください。」

とも言われました。

優しいね、うれしい一言だったですよ。

でも、ここは、警戒区域ではない。
飼い主さんがこれる場所。

だから、勝手なことは出来ない。

それでも、マルを助けたいという自分もある・・・

Kさんとも連絡して意見聞いて、みんなで泣いて泣いて・・・考えました。



マルを抱っこして、いろいろ いろいろ 考えました。

何が正しいのかわかりません。

マルは20歳だとすると、確かに長生きしたほうです。
そして、この家で、20年間飼われてきたんだと思います。

犬は飼い主が大好きのはず。
マルは飼い主さんに会うのを楽しみにしてるはずです。




飼い主さんが愛情がないわけではありません。
立派な犬小屋を作り、小屋の上にマル犬と書いてます。

私の飼い方とはまったく違うのですが、飼い主さんはマルをかわいがっているんだと思います。

それを、突然現れた私が、苦しいでしょうからと病院に連れて行くのが、果たしていいことなんだろうか・・・と悩みました。

連れて行くことは簡単です。

でも、連れてって、病院で注射されたり、いろんな検査されたり、入院となり、ステンレスのお部屋に入れられる。身体は楽になるかもしれない。けど、マルはそれを望んでいるのだろうか・・・。

悩みに悩みました。


結果、このままにすることにしました。


マルは、かなり衰弱してました。病院にいっても助かる見込みはないように思えました。

マルにとって、辛くても、この犬小屋がマルの居場所です。
この場所に居ないと大好きな飼い主さんに会えないと思うでしょう。
そして、知りもしない人の車に乗せられ、どこに連れていかれるの?って不安に感じるでしょう。


そう、考えたら、辛いことだけど、置いてくことしかありませんでした。



ボロボロ泣きながら、マルを抱きしめ、また明日来るね。ごめんね、何もしてあげれない。飼い主さんには伝えたよ。明日か明後日に来るからって言ってたよ。

でもね、マル、もう十分頑張ったと思う。だから、マルがいいな~って思うときにもう逝っていいんだよ、と伝えました。

少しでも温まれるようにとホカロン敷いて、毛布かけて・・・。さよならを言いました。

それが正しかったのかはわかりません。




翌日は早朝から、いつもの場所で活動。




活動が終わり飯館村に移動してきて、その後、様子を見に行くとすでにマルはもう動かなくなってました。

飼い主さんが来た形跡はなし・・・。

残念だった。

でも、救いは、同居ネコさんが、一緒に居てくれたこと・・・・。
いつも同じ小屋で、一緒に寝てました。

亡くなった翌日に飼い主さんが来たそうです。

そして、お墓作ってくれたそうです。

やっと会えたね。



マル、震災から1年をまだず逝ってしまったね。

この日、保護した猫も3匹居ました。

どちらも、1年間よく頑張ったね。

そして、まだまだ頑張って生きている動物達が沢山いる。

たいしたことは出来ないけど、残された動物達がちょっとでも楽しいとか、嬉しいとか思えることしていきたい。










22 件のコメント:

  1. ただ見守る事も最高の愛の表現だと思います。
    自分の心の側から考えれば…
    どうしても”治療して上げたい”と思う。。
    でも、相手の動物の立場になって考えれば…
    マルちゃんの最後に最高の愛が届いたと思います。
    マルちゃんは、例え一瞬であっても
    飼い主さん以外の人からありったけの愛を注がれて、
    その愛を胸に旅立ったのですね。
    有難うございました。

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  2. 大変ご苦労様です。

    涙が止まりません・・
    マルちゃんはたったひとりぽっちで逝ってしまったんですね。
    この子だけではないと思いますが いろいろな飼い主さんがいますがとても複雑な気持ちです。

    最後に、大網さんが暖かい毛布をかけてあげてくれたこと
    それだけが救いです。
    ありがとうございました。

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  3. おーあみさん、いつもありがとうございます。
    マルちゃん残念でしたね。
    でも、おーあみさんに、優しくしてもらったこと、
    抱きしめてもらったこと・・・
    マルちゃんには気持ち届いてますよ。
    そして猫ちゃんが一緒にいてくれて淋しくなかったと思います。
    まだ寒い日が続きますが、どうかお体大切にして下さい。

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  4. お疲れ様です。

    ほんとに難しいですね。
    何が正解か、なんて誰にも分からないのですよね。

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  5. どうして?????ど田舎の飼い主はいい加減なのか人間の責任で動物が犠牲なってほったらかしおまけに外に繋けっぱなし、信じられない

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  6. 昔スクールで一緒だった、福島出身の女の子がいました。

    私が住んでる団地では引越しの時に猫を捨てていく人が多くて、餌をあげると近所の人に文句を言われる。

    そういう猫を家で飼ってるという話をしたら、福島は土地が広いし、猫は外にいるものだと不思議そうにしていました。

    東京の人とは飼い方が違うのですね。
    でも昔は日本のどこでも、そんな飼い方をしていたのでは?

    それが自然な気もするし、愛情がないと言うことではないと思います。

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  7. Kimiyo Nakamura Garey2012年3月15日 6:12

    日本の皆さん、申し訳ないのですが、
    マルちゃんを、病院に連れて行くべきだったと思います。

    生よう、生ようと、マルちゃんは、がんぱって来たのです。飼い主さんに会いたいというのもあったでしょう。しかし、同時に、誰のためでもなく、マルちゃん自身が生きよう、生きたいと思っていたのです。

    病院での治療費も払う気で、助けたかったわけでしょう。だったら、ついでに、飼い主さんも、病院に引っ張って行って、医者に、マルちゃんを看て貰えばよかったんです。どうあれ、救い上げるべきでしたね。

    おおあみさんは、<マルは、かなり衰弱してました。病院にいっても助かる見込みはないように思えました。>
    と書いていますが、あくまでも、医者ではないど素人です。さっさと医者に連れて行けばよかったんです。飼い主は、すでにあきらめていたようですね。いつ死んでもいいというように。年だから、しょうがないというように。

    そういった飼い主に、おおあみさんは、押し切られてしまったのです。自分が決断できない時、できなかった時、人は、常に、つじつまがある理由付けをしようとします。そうではありませんか。中には、美辞麗句で、思いを述べておられる方もおりますが、とんでもないことです。

    死ぬ一日前、数日前というのは、食物に興味をしましません。食欲がまったくなくなるのです。それに気がついた時点で、早急に病院へ連れて行きべきでした。猫ちゃんが、マルちゃんと一緒に、犬小屋の中にいて最後を看取ってくれたといいますが、それがせめてもの救いです。しかし、おおあみさん、あなたが、それだけ深い思いをマルちゃんに、動物にもっておいでなら、そういうあなた自身が、マルちゃんに病院で付き添ってくださることもできたはずです。飼い主が、飼い主がとおっしゃてますが、私が、マルちゃんの飼い主なら、まず、マルちゃんに生きて欲しい。おおあみさんに、病院行きを託し、そして、それでも助からなかったとしても、おおみさんほどの思いを傾けてくれた方に、最後を看取られて、飼い主としても救われる部分があります。もちろん、飼い主としては、病院へ直行しますが。

    起承転結が乱れましたが、どうしても書きたくて書きました。

    早急に、病院へ連れて行くべきでした。

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  8. いろんな考えの方がいて当たり前だと思います。

    ただ、私はこれでよかったのだと思います。
    もう20歳。全部分かっていると思いますよ。
    最後の時に、怖かったり不安な思いを私もしたくありません。
    静かに安らかに、今までの生涯を思い出しながら逝きたいと思うのです。

    おおあみさんが、「マルがいいな~って思うときにもう逝っていいんだよ」という言葉を理解したと思います。
    そうして、たくさんお見送りしてきたんでしょうね。
    私の周りにもその言葉を待って逝く子がたくさんいました。

    納得して、軽い体になって、飼い主さんの元へ駆けて行ったことでしょう。

    ありがとうございました。涙が止まりません。

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  9. 号泣してしまいました。
    マルちゃん、ボスの所に行けるといいな。

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  10. 涙が止まりません・・・
    病院に連れて行かれなくてよかったと私は思います。
    マルちゃんは家族と共に暮らしたその家から天国に行きたかったと思います。ただ、最後は飼い主さんに看取られながら逝ってもらいたかった・・

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  11. マルちゃん、今は安らかな気持ちで眠っているでしょうか。
    天国で暖かく穏やかに過ごしているといいですね。

    飼い主さんに対しては…
    私は今まで何があっても家族と離れたりしなかったし
    これからもそうする覚悟でいますから、
    理解を示すことはできません。

    大網さんの動物にたいする深い愛情は尊敬しております。

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  12. 難しい問題ですね。確かに大網さんはご自身の意思で動物救援をしていらっしゃる訳ですが、
    「自分で好きでやってるんだから自分の倫理観のみに基づいてやりたいようにやる。
    自分と倫理観の異なる飼い主の意思は間違ってるんだから無視する。」
    これじゃ余計にこじれるばっかりですからね。
    そんなんだから愛誤なんて貶し言葉が生まれるんです。
    動物救援を通して、そこから生まれる動物たちや飼い主さんの喜びも大きな原動力になっているのではと思います。
    犬自身の幸せを察して、ご自身には受け入れ難い異なる価値観を持った飼い主の意思を尊重する。
    しかも、動物の生死の掛かった状況で…。
    簡単なようで、なかなか出来る事ではありません。
    相手を無視してやりたいようにするのは誰にだって簡単に出来ます。
    今回、大変つらい思いをしながら勇気を持って
    こういった措置を取られた、大網さんの判断は決して間違ってはいないと思います。

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  13. 私も、外飼いで犬を飼っています。
    もし私が飼い主なら、大網さんの
    判断を有り難く思います。
    自分の常識と違うからと言って、
    それを非難する人もいるけれど、
    この子は20年間、番犬として愛され、
    その家を守ったんだと思う。
    犬は他の犬と自分を比べたりしない。
    飼い主さんの事情含め、
    犬には飼い主さんが一番ですよね。
    最後の日に人の愛情をかけてくれて有難う。

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  14. 犬の気持ちや苦しみは犬にしか分かりません。
    飼い主さんの事情をどこまで理解していたか、
    番犬として愛され家を守ればそれが犬の幸せになるのか、
    それを犬がどう感じていたかも本当のことは分かりません。
    犬が他の犬と自分を比べることはありますし
    「なぜ飼い主さんはいないのだろう」と
    思っていたかも知れません。
    日本では、犬の最期が飼い主さんの常識によって
    決まることがあるのでしょうが
    その状況を人間側の心を保つために都合よく解釈していないか、
    気をつけようと思います。

    今はマルちゃんの御霊が安らかでありますように。

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  15. おおあみさん、ありがとうございました。

    私もその場にいればおおあみさんのように迷い、悩み、泣くと思います。でも最後の判断はまるにとってはよかったのではないかと思います。
    20年暮らした思い出あふれる場所で、そばには友達もいて、一番大好きな飼い主さんを待ち、最後の日に人のぬくもりに触れられて亡くなった。もしかしたらまるにとっては幸せだったかもしれません。
    飼い主さんも、人に迷惑をかけたくないと言いながらも、本当は慣れ親しんだ家で死なせてあげたいと思ったのでは?
    それは20年過ごした家族にしかわからないのかもしれません。
    きっとまるにも飼い主さんの気持ちは伝わっていたのでは、と思います。

    実際に現地で活動されている方のご苦労は本当に大変と思います。
    辛いこともいっぱいだと思います。
    感謝の言葉しかありません。
    日々ありがとうございます。

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  16. 私も給餌に向かう方からお聞きして居ました。
    私達が着くまで頑張ってくれるといいけど・・・と。
    1年、
    きっと長い辛い毎日だったと思います。
    こんな子たちをもう増やしたくないですね。
    色々と有難うございました。
    転載させてください。

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  17. いつもいつも・・ブログが更新される度に涙が止まらない現実を知らされます
    おおあみさん 色々お悩みになりどんなに苦しみ辛かった事でしょう・・今はお疲れ様でしたとしか言えません
    実際に現場に行かれてる方が一番辛いのです 
    生の目で現実を見るのですからね 私はおおあみさんの文章だけで泣いてしまうのに、、、
    とにかくいつもいつも本当にお疲れ様です
    ありがとうございます。。

    家にも双葉の被災犬がいます 放浪してる所保護団体に救われ・・我が家に来ました ネットで飼い主さんが判明して14歳だとわかりました 14年も生きて来た家に帰してあげたいけど出来ないのも現実で。。。
    家族の居なくなった所で旅立つ小さな命も家族は居るけど会えない小さな命もどちらも可哀想で仕方ありません。。

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  18. 今までどうもありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願い致します。

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  19. おーあみさんお疲れ様でした。
    マルちゃん精一杯生きましたね。
    おーあみさんの温かい毛布あったかくて嬉しかったと私は思います。
    保護された猫ちゃんたちはその後いかがですか?
    私も何か少しでもお手伝い出来たらと思います。

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  20. 私も病院へ連れて行ってあげて欲しかったと思います。
    長寿だからとか、自分の家で亡くなったほうがとか、その子のためのように色々言うけど、本当は人間(自分自身)が苦しい気持ちを楽にしたいだけなんだと思います。
    そうしてあげてきっと幸せだった・・・ってあとから言う人、自分の気持ちをただ慰めているだけだと思う。
    その子の本当の気持ちなんて絶対に解らない。
    きっと、もっともっと生きていたかったはずです。

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  21. 批判してる人は変わりにいけたのかな?
    活動してる人の大変な気持ちもわからない、それこそ偽善だと思います。
    行動をおこしてる人と 大してしてない人・・・・

    まったく違うと思います。

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  22. おおあみさんの活動は、以前、来阪された「のこされた動物たち」の著者 太田康介さんのお話で知りました。
    献身的に、救護活動をなさっておられる方であると。

     震災から時間が経っても、動物たちを取巻く環境に
    大きな改善があったとは聞いておりません。
    おおあみさんをはじめ、多くのボランティアの皆さんの活動を思うと頭が下がります。

     風化させてはいけない。 
    この瞬間も、過酷な環境で生き続けようとする動物たちと
    その命をつなぐために活動なさっている人たちがいることを
    決して、忘れてはいけない。
     そして、おおあみさんのような人たちが、
    献身的に活動なさっている限り
    永遠に、周囲は支え続けねばならないと考えます。

                   古川泰司

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